故郷がもっと好きになる

遊亀楼 魚兵(ゆうきろう うおひょう)は創業明治元年、この燕三条の地で商いを初めて150年が経ちます。 初代 結城兵資(ゆうきひょうすけ)から世襲で代々守られてきたこの店は、現在7代目当主 結城義博(ゆうき よしひろ)が料理長を勤め、 脈々と受け継がれる伝統はいくつもの時代を超え、革新を続けながら現在へと至ります。 創業当時から飾らず愚直に積み上げてきた歴史を日本料理で表現し、訪れるお客様にこの土地の文化を伝えることが私たち遊亀楼 魚兵の目指している在り方です。そして先祖代々守り抜いてきた私たちの在り方とお料理を通じて感じるこの土地の文化をしっかり次の世代へと受け継いでいきたいと考え商いを続けさせて頂いております。

私たちが150年もの長きに渡り商いをさせて頂いている燕三条という地域は金属加工業、金物卸売業、木工業などが盛んで ものづくりのまち燕三条として全国的に有名な地域です。この地域ではそれぞれの職人が日々技を磨き、切磋琢磨しながら製品を作りあげています。一つ一つ燕三条の職人が作り上げた包丁や鍋といった調理道具を使用してお料理を作り、一つ一つ燕三条の職人が作り上げたお箸やカトラリーで召し上って頂くお料理は正に燕三条の地場産業を存分に感じることのできる燕三条料理といえます。この土地の道具職人達が守り伝えてきた技術の結晶を当店の日本料理職人が同じ職人として力を合わせてお客様の目の前に日本料理となり披露されます。

伝統と革新

150年のその先へ
料亭という商いを通して私達が伝えたいことは、私達が提供する日本料理から感じる美しい日本文化です。そのために当店では今まで通りのお座敷や仕出しに囚われない様々な新たな取り組みを行っています。伝統は革新の積み重ねだという事を肝に銘じ、時代やお客様のニーズにあった私達らしい伝え方を日々模索し、料亭だから出来る新たな取り組みに挑戦しています。

私達の新たな日本料理の伝え方として好評を頂いているのがケータリングです。従来の松花堂弁当やオードブルの配達に加え、空間を設えてのお料理の配達を行うことにより、社屋や工場、屋外施設といった今までは日本料理を楽しむことができなかった場所での仕出しが可能になりました。ただお料理をお届けするだけでなく、空間とカトラリー、その場で調理するお料理などが合わさり、日本料理をお座敷以外でも存分に楽しめる様になりました。場所を選ばない遊亀楼魚兵のケータリングは現在当店の看板となり、新社屋の竣工パーティー、工場内でのレセプション、キャンプフィールド、ゲストハウスでのお食事などで幅広くお声がけ頂いております。

また、当店では日本文化の「美しさ」を若い人達に伝えるために着物の着付け教室を企画しています。着物の着付けを学び、お座敷でお食事をとり、着物を着てまち歩きを行うツアーを各月で行うことにより、今まで触れることが少なかった日本古来の美しい文化に気軽に触れて頂く機会を提供しています。今後は花道教室、茶道教室、お料理教室と更にツアーのラインナップを充実させ日本文化の美しさを若い世代に伝えていく取り組みを広げていきたいと考えています。名付けて「私、美意識はじめます」。ちょっと伝え方を工夫することにより、若い人達がこの国の文化を体験し、その子達がまた次の世代へと受け継いでいってくれることを願っています。