四季と風土を感じる日本料理

現在、世界中から「WASHOKU(和食)」として注目を集める日本料理。この国は峻険な山々が平地を分かち、季節の移ろいが寒暖をもたらし四季折々がはっきりと彩られる美し国です。そんな自然豊かなこの国で海の幸、山の幸、野の幸など、旬の食材をおいしく味わうために生まれたのが日本料理です。また時代と共にそれぞれの地域に根ざした「郷土料理」や、食の美を追求した「割烹料理」などが育まれてきました。四季を感じ、その土地の風土を感じ、郷土の文化を設えたきめ細やかな料理技術は今も昔と変わらずに受け継がれています。洋食文化が広まった今だからこそ、私たち日本人が守ってきた豊かな食文化と美しさが日本料理には詰まっています。

そして豊かな食文化を育んできたこの国の中でも新潟県は日本料理を提供する上で最高の地域だと言えます。四季折々がはっきりしている日本の中でもひときわ四季のコントラストが強く、山々に囲まれ、豊かな平野が広がり、美しい日本海に面しています。山、里、海それぞれに豊富な食材に恵まれ、厳しい冬に降り積もった雪解け水を使用したお米やお酒は世界中で高く評価されています。そんな食材豊かなこの新潟県のほぼ中央に位置するのが遊亀楼魚兵が150年に渡り日本料理と向き合ってきた土地「燕三条」です。燕三条は全国有数のものづくりのまちとして知られています。この土地で製造される調理道具やキッチンウエア、カトラリーなどは今でも世界中から高い評価を受けています。

燕三条料理

そんな「ものづくりの街」燕三条を故郷(ふるさと)にもつ私たちのお料理は、同じ土地に暮らす鍛治職人が作る包丁、木工職人のまな板、銅器職人の鍋、プレス職人のフライパンなど、全ての調理道具が同じ故郷(ふるさと)の職人の手により生み出されたものです。また、そのお料理を味わう食器やカトラリーもこの土地の職人がつくる逸品ばかりです。そしてもちろん、地元で採れた野菜、この土地で育てた穀物、この地域で捕れた海産物、それらもその道を極めた職人1人1人の技の上に集められた新鮮な品物ばかりです。そんな同じ故郷(ふるさと)を持つ数多くの職人の方々に敬意を払いつつ、丁寧に料理人がつくりあげるのが遊亀楼魚兵の燕三条料理です。

そして、私たちはそんな故郷(ふるさと)燕三条が詰まったお料理を通して、この地域の人たちに郷土愛を感じて欲しいと考えています。来店した際に、お料理を楽しんでいる際に、女将と会話をしている際に、少しでも自分の生まれたこの土地を好きになってもらいたいと考えています。生まれた土地を今よりもっと好きになったら、必ず人生はさらに豊かになるという想いを込めお料理をつくり続けています。